ななめ45°

「我々が日本のリハの未来を変えるんだ!」


北陸の大名は僕のななめ45°後方からそう話されてた。
上司の居ない僕には、とても頼もしい一言に思えた。
そう、丸3日ハマっていたから、随分ネタが溜まる。
しばらくはその時々の一コマで色々書けそうです。


確かにそうだ。現状維持の風土は何も生まない。
そして新しい何かには、苦労もあるが見返りも大きい。
だからかもしれないが、以外に若い参加者が多かった。
独立起業という言葉が飛び交う中の懇親会。
そこに夢見る若者が増えたというコトなのだろうか。


会場には礼儀を弁えた格好の若者も多く見られた。
昔、勉強会にラフに行っていた自分の姿を反省したりね。
で、僕は…懇親会の初日だけラペルピン付けたスーツ。
後は、ジャケットとジーンズで行った。
ネクタイはしていったけどね。


2日目だった。昨日一緒だったH君と離れて座り
一人、体育館の大きなスクリーンの右側に席を決めた。
ななめ45°前に、キチッとスーツを着た若い彼が居た。
年は…僕よりかなり下に見えた。髪型は今風だった。
でも、背筋がしゃんと伸びて聞く気満々の様子。


ふと彼の机を見ると、ノートの横に重ねた本が2冊。
ブックカバーがしてあるのでタイトルは解らない。
なぜか解らないけど、彼が読む本の中身が気になった。


「みたい…」

これだとホントに変態だ(笑)


彼ぐらい若い人が管理者研修会に持参する本…益々気になる。
午前中の一コマが終了し、その瞬間はあっけなく来る。
休憩中、彼は本を開いた。その項のタイトルが見える。
ボールディングされたタイトルにはこう書いてた。


「相手にドン引きされない話し方」


う~ん…。


こうなると彼と話したくて仕方ない(笑)
弁当を一人で食べているのを見て意を決し、声をかけた。


「お疲れ様です、よかったら横イイですか?」


僕は彼と話が出来た。彼は兵庫からの参加者だった。
最近、診療所の一人職場から訪問のセクションに移り
自分より若いスタッフと訪問に回り指導するのだそうだ。
そして話すのが苦手な訳ではなく、指導に悩んでいるらしい。
話してもらえない、というコトでひどく考え込んでいた。


なるほど…それで「ドン引きされない話し方」か…。


で、初対面の1時間でアドバイスなんておこがましい。
もちろん彼も問いはしないし、その場の世間話程度だった。
そして僕は、いつも自分が気をつけているコトを彼に言った。


「自分が常にご機嫌で居てみたら」


へぇ…という顔をしてた。どう解釈したかはしらない。


「僕も完ぺきには出来ないけどね」


一応注釈をしておいた。


日本全体を考えて変えていこうとしている人が居る。
目の前の毎日を少しでも変えていこうとする人も居る。
ミクロとマクロの変化の意欲。大きいし小さいけど。
僕が知らないコトが多いという前提で、ココに夢があると思えた。
未来を変える為に必要な材料、独立起業も管理者も大切だけど
その前に、変えようと思っている人が他にも居るんだ、という実感が大事。


どうなんだろう、彼は。
今日一日、ご機嫌でいられたかな。

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