里田まい

今日、最後の一回り。
かなりの強行スケジュール。
三人で回った。


同行してくれた作業療法士。


女性、27、8ぐらいかな。
物静かな感じの人で
里田まいによく似てる。


彼女の老健は流されたそうだ。
入所者の八割が亡くなってらしい。
彼女のアパートは流されて燃えて
彼女の車も燃えながら流されて
もう何処にあるかも解らないと。


今日乗せてもらった車は
彼女の妹さんの車だそうで
その車で避難所や仮設の訪問を
コツコツやっているらしい。


聞けば気仙沼市内で訪問リハを
やっていたのは彼女一人だそうで
誰からも何も教えてもらえない中で
ケアマネや看護師さんとの繋がりを
一つひとつ作っていたらしい。


全て流れたそうだ。


施設も、仕事も、関係も。


震災後三日目に老健の残骸から
利用者を近くの避難所まで
車椅子に乗せて押して避難させた。
ものすごく遠かったらしい。


寒くて、着るものも無くて
年寄り、そして自分達も寒くて
頭からリハビリパンツをかぶって
避難所まで行ったらしい。


そんな壮絶な話を


彼女は笑って話してくれた。


彼女、七月から
地元のナースと一緒に
香川県の会社の出資で
気仙沼に訪問看護と訪問リハ
始める予定で準備してるらしい。


事務所ももう決まってると。


指定申請書の書き方から
名刺の渡し方まで
全部一から勉強していると。


地元の医師との関係を
ものすごく気を使っていると。


老健時代の自分の入所者を
今度は在宅でリハするんだと。


色んな人にお世話になるコトの
ありがたさが本当に解ったから
関係者の人とのつながりを
上手く使って在宅で仕事がしたいと。


全てが不安で
全てが解らない。


そう言いながら
運転している彼女は


とても楽しそうだった。


長崎に呼びたい人リスト追加。


気仙沼の里田まい。


貴方がこれから進める仕事を


まとめて長崎で話してほしい。


そうお願いしてみた。




気仙沼の里田まい。




とても魅了的な人です。

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