言葉が動いていて、紙の中で音がした。

めちゃめちゃお忙しいところにすみません。





丁寧なのかフランクなのかよくわからん冒頭文(笑)
突然来たメールの最初の一文は、こう書いてあった。
少しやりとりをしてみたら会話はこう進んだ。





企画書、読んでほしいんです。





いえ、はい…みんなで考えました。





先生のおっしゃるコトは一通りみんなで。





でも、どうしても困った問題がいくつかあって…。









僕の周りは、ホントによく頑張っている。
お世辞でなく本気でそう思っている。





実務も事務も、みんな仕事に向かって一生懸命。
成果もしっかり出ているし、整理もどんどん進んでる。
新しい仕事も、着実に足を前に進めている感じがするし
今までの仕事は、今までにより磨きがかかっていると思う。
僕の自慢の人達だし、彼らがいないければ今の環境は無い。





だから、時々思うのである。





もっとたくさん、そんな人が現れたら
もっともっとたくさん、イイ仕事が出来る。





困った時に呼ばれるコトの多い僕(笑)
メールとチャットと電話の話しを総合して
どうアドバイスするか考えながら運転してた。
落ち合った場所は市立図書館の廊下で13時。





普通仕事なら、洒落たCaféとかファミレスとか
付加価値のついた時間と空間に待ち合わせて
薄っぺらい話しに付き合わされるコトも多い。
その度僕は、聞く態度に気を使い、相手を気遣い
話す相手に気持ち良くなってもらって帰ってもらう。
それが礼儀だと思うから。





風の強い市立図書館の廊下で彼は待ってた。
カッコはいいけど座りにくいベンチに座って
結構背は高いのに、小さく座って待っていた。
僕を見ると随分恐縮している様子だった。
それもそのはず。連れが遅れているという(笑)





忙しいところ、すみません!





ふかぶか頭を下げる。
でも声デカイ。









いやいや、いいし。





人目多いから、いいし。





なんか僕がイジメてるみたいだし。





でも、いつもの外の打ち合わせと違って新鮮だったな。





なんか気持ち良くなってる自分にも気付いてたりした。









まぁ、座ろう。
どれ、見せてよ。





僕は、彼にその企画書とやらを出す様に言った。





正直言えば、大したモノとは思ってなかった。
学生が創るモノ、せいぜいA4一枚程度のイメージで
頑張れと激励して気持ちよくなってもらって帰ってもらう。
正直失礼ながら、そう思って行ったコトは事実だ。
帰りの道すがら、そんな先入観を持った自分を反省した。





手渡されたピンク色したクリアファイルの中の企画書。





ズン、と紙の割に思い。





つまり、A4一枚のペラ紙ではなかった。





今、それを一人読み返して思うのは
出来れば暗記するぐらい読もうと思ってる。





しっかりとした創りになっている。
僕も幾ばくか言葉を綴るコトを続けてきて
言葉の中にイメージがあるかどうかぐらいは
見出しを見れば解るようにはなった。
ストーリーがあるかないかぐらいは
感じれるようにはなったんだ。





企画書、見出しに音があると思った。





つまり、イメージがしっかり出来ている。





だから言葉が動いていて、紙の中で音がする。





企画書というのは現実感があるかどうか。
絵空事だけを書くのなら誰でも書けるんだ。
ただ、絵空事なら絵空事しか書けないんだな。
どれだけ現実をイメージしているかが重要で
その紙の中で時間が流れ、建物が立ち
人が動いて、表情が見えなければ企画書じゃない。





…と、その昔、やたらガツガツと教えられたな。









僕らの中でしっかりと話し合って考えた内容なんです。





下調べもしました。





一応、調べたコトを時系列に並べてまとめてあります。





地元の関係者に話して一応冠だけは貰ってます。





ただ、実行となると…それで、先生に相談を…









もう最終段階やん(苦笑)









眺めた中身はしっかりしたモノだった。
十分に実行に値する企画であり、もっと言えば
僕の教えた趣旨を、的確に貫いている構成だった。
それに準備が素晴らしい。情報の意味が解ってる。
年間事業を調べ上げ、自分達の企画が該当しそうな
そんな事業を探しているセンスも魅力なのだが
何より、関係者に働きけして理解を得ているのがスゴイ。
情報の収集と戦略的活用が、もう既に出来ている。





それ以前に





僕に忘れていた事を思い出せてくれた。





日本中で実施出来るモノにする。





そうだった。





考え方を整理し、やり方を整え
日本中で出来る様に仕上げる。
自分の趣旨を教えられた。





企画書の問題点は至ってSimpleだった。





要は、金が無い(笑)





でも、学生だから当然。





じゃあ、金を持ってる奴なら誰でも出来る企画か?





そんな問題でもないんだな。
そんなしょーもない問題ではない。





この企画、金が無いのが問題なのだが
金があればいいのだ、という解決策にならない所が
一番面白い所だと思った。





彼と会った後、少々気付く所のアドバイスをした。
吹きっさらしの廊下には、やっぱり風は吹いてた。
一通りアドバイスをした後、彼らを誘ったんだ。
僕はその後、報告会の出番があったんだけど
彼らをその報告会に連れてったんだ。





自分の事業の報告を一通りプレゼン。





持ち時間8分。





7分過ぎた頃に、会場に居た彼を起立させて
マイクを通して、聴衆に向かってこう言った。





恭介、達哉、起立。





この企画を五島でやりたいって若者が居ます。





彼らがその二人。





どうですか、これだけたくさんの大人が居て





この企画を助けたいって大人はいませんかぁ。










報告会が終わって彼が言ってくれた。





先生のプレゼンに感動しました!




先生の活動知ってても感動しました!




ありがとうございます!




話してもらえただけで嬉しいです!









正直、彼がこんなに志のある男とは思わなかった。





今年、少し形を変えてみようかと思っている。




それともう一つ。
5回目でファイナルだ。









そうそう、報告会の終わった後だ。





長崎県ボランティアセンターの所長と
五島市の市議会議長さんが声をかけてくれた。





上手くいくといいな。





いや、違うな。





上手くいくように、やってみるか。

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