林先生と話したら、なんだか力が湧いてきた。

なんかよくわからんが、アメリカ合衆国での閲覧数がウナギのぼりになってるのはなんだ…???
統計じゃ、ここ2日で閲覧4000件(笑)まぁ、攻撃はされんだろぅ(笑)そんなブログでも無いしね。



素晴らしい人に出会った。
長崎大学経済学部教授の林 徹先生。
何がスゴイかって、全部スゴイのだ(笑)



とにかく一つひとつ、忘れない様に思い出しながら書いていかなきゃ。
まだ出来上がってない仕事もあるんだけど、それより、林先生との話しが消えてく方が大変だ(笑)
お話頂いたコト全てが、僕にとっては斬新で、新鮮で、何より導かれる空気感がとても心地よかった。



産業振興ファンドへの申請をご相談した。
最初にコメントいただいのは「川副君、地域リハビリテーション」って言葉がわかりにくいよ」という話。



なにはともあれ、解りやすくしなさい、というアドバイスを頂いた。



「君のイメージや、事業、結果はプレゼンを聞いたから知っている」
「十分産業に値するし、僕が教えを請いたいぐらいなんだ」
「ただ、その地域をリハビリしちゃう?って表現がいただけないよ。夕張みたいな話かい?」



そう、僕は地域リハビリテーションを産業化したい。介護予防プロジェクトもスタジオ クローバーも
その手段であり現実化したモノで、現存している。でも、人に解らなければ、何も始まらないんだ。
先生は、繰返し僕に言う。「川副君、わかりやくしなきゃ。難しく考えちゃダメなんだ」って。



「君達の言う地域リハビリを産業化したいのなら、雇用を生みださないとダメだよ」
「雇用を生みだす仕事になって初めて、本当の意味で産業化なんだ」
「でも、君はそれはもう出来ているよ」



ニッコリ笑ってそうおっしゃる。
僕はずっと疑問だった。介護保険事業者の様な社会保障サービスを産業といっていいのもか…。
先生は「いいんだ、雇用を生んでるコトに違いは無い。正社員1人でも雇えたら立派な産業なんだよ」



産業とは雇用を生みだし、納税をする仕組みをつくるコトだとおっしゃった。
なんとなく感じてはいた社会の仕組みなんだけど、ちゃんと言葉出来るコトはまずなかったし
今まで、治療や技術というコトにこだわり社会の仕組みもしらないで居たコトがスゴく恥ずかしかった。



「君のは、コアな事業(保険事業)と一般事業、そしてその周辺を囲む事業とか一体になってるのがスゴい」
「ちなみに、君は自分の仕事に名前をつけれるかい?地域リハなんとかじゃなくてさ」
「もし名前を付けれず悩んでるのなら、それはスゴいコト。名前が無いってのは間違いなく君のオリジナルなのさ」



図星だった。僕はずっと悩んでいた。自分の活動に名前が付けれずに居たんだ。
専門的だったり、自分しか解らん言葉だったり、イメージの産物だったりしたモノを名前の様に見せたりはしたが
一言でで説明してよ、と言われてまともに説明出来たコトは一度もなかった。先生はそれを一発で見抜いてたんだ。



「図解をしなさい。うん、その画は昔見せてもらったね。まだ文字が多いな」
「もっともっと文字を削って、図だけにしていって、本当に人が一目瞭然にするんだ」
「頬杖ついて一人寂しそうな高齢者が、元気一杯笑顔になるなんてイラストなんていいんじゃない?君の究極だろ?」



またまた図星である。
根本的に忘れていた。産業化するというコトは、ユーザーは僕らのコトなんて殆ど知らない。
初めて会う人に地域リハなんて、なんのコトだかわからないのは当たり前で、でもどう表現するかはおざなりだった。



先生は、ICFについても違う見解をお話して下さった。



「その…何とかモデルってのは、絶対的に安定した形をとらなきゃいけないのかい?」
「僕らの感覚で言うとさ、下手に安定が続いている状態の方が危険だと思うんだよね。ありえないからさ」
「逆に、モデル的少々不安定な状態からなんとか元に戻ろうとしてる状態の方が、健康に向かってるんじゃない?」



もう、衝撃的で言葉もでなかった。
僕らは絶対的安定状態を健康として考える。でも、安定状態に戻る過程をたどれるコトが健康そのもので
それを誘発するように、モデルの欠損をある程度よしとしながら、先に進ませるのが実は予防なのだという考え。



とにかく先生との話は、短い時間に僕の目線をどんどん変えてく。
駅前のロイヤルホストは周囲のお客さんの声で相当に賑やかだったと思うが
僕の耳には全然入ってこなかった。本音を言えば、周囲に人が居るコトも忘れて先生の話を聞いてた。



僕は言った。一度しっかり大学院で経済を学んでみたいと言ってみた。だって、僕は基礎も何も無いから…。



そしたら先生は突然笑いだした。
「アハハ、君がいまさら何を学ぶんだい?」
「もう全部出来ているじゃないか。だから僕は言ったろ?今日は学ばせてもらいにきたんだ」
「ホントなら募集の時期だから、是非大学にどうぞ、なんて言うべきなんだろうが、君にそれはもう必要ないよ」



「時間がもったいない」
「今君がやるべきコトは、今君が考えているコトを日本中に広げるコトだよ」
「大学は、落ち着いてて年を取ってからくればいいんだ。大学なんてそんなトコだよ」



先生は笑いながらそう言った。
経済が専門ではないそうで、専攻は「経営」だそうで、経済の先生とは話が合わないらしい。
いつでも大学を辞めたいと思っていて、願わくばクビにしてくれと思っているとおっしゃってた(笑)



理学療法士の雇用を生みだす場所が、結果としてその他の雇用を生む場所へってイメージを強調したら?
縦割りでは絶対ダメで、横割りのパッケージをシステムにするコトが重要だ。
地域リハビリテーションとは別の名前を考えるコト。例えば、絆・再生プロジェクトとかね。
地域をつくるには時間がかかる。森を作ってると思ってほしいといった君自身の言葉を使いなさい。
保険事業所にCaféがくっついてる、じゃなく、誰でもこれる場所にするというイメージが解りやすいよ。



とにかく、先生と話していると、次から次に自分の知らない角度の話しが止まらない。



こんな刺激的な会話は、本当に久しぶりだった。
いつも自分からの発信、自分からの説得、結局自分で自分を導く感覚。
それが嫌なのではないのだが、最近はその感覚に少々疲れていたコトは事実だ。



「君と話しているとすぐ解るよ、お金とかが目的じゃないってのがね」
「君はね、まさしく典型なんだよ。成功するタイプの典型でね。まず出会うコトの無いタイプの人間さ」
「だから、君の話が解るという人は少ないのが当たり前なんだ。だって共感する人しか解らないはずだからさ」



頭の中にあった濁った空気が浄化されてく様な気分だった。
しばらく整頓出来てなかった頭の中の部屋が、短い時間ですっかり片付いた。
アドバイスというのは、こういうコトをを言うのだというコトを時間した1時間半だった気がする。



最後に先生とこんな会話をした。



「ホームページとか作ってないの?」


「今、新たに製作中です。知り合いのデザイナーさんが頭抱えてますけど(笑)」


「あぁ、たぶん、それが起爆剤になるよ。」


「起爆剤?」


「うん、君は実感してないかもしれないが、もうすぐ君はとんでもない世界へ行くコトになるよ。」


「???」


「アハハ、解らなくていいんだ。メジャーリーグに行くと思ってたらいいよ。」


「???」


「番頭さんはしっかりした人居るの?」


「はい、僕は細かいコトが苦手なので、色んな人が助けてくれます(笑)」


「そうだろう。君はそんなオーラがあるよ(笑)」


「???」



先生も楽しそうだった。
話が終わって、これ以上ないってくらいにお礼を言った。
そして、またご連絡してもいいですか?って話をしたら、喜んで!と言って下さった。



席を立って、コーヒー代を払おうとしたら伝票が無い。
どうやら、頭を下げた時に既に取られたみたいで、先生はさっさとレジに行かれた。
いや、払います!と言ったら、先生は僕に手を向けてストップのしぐさをした。



「君から学んだ授業料のつもりだから」



なんだろう。



とにかく力が湧いてくる。

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