魅力づくりをやろうとしている雰囲気に人は魅力を感じる。

昨日、税理士やっている友達と2時間ぐらい打ち合わせをしていた。

社長なので、少なからず会社の経営のコトを相談する。彼が事務所に入ってきた時に、ちょうどいつもの様に模造紙と付箋で一人アイディア出しの作業をしていた。アイディアを出す時は一人がよいと言うのは、一人だと静かだからとかではなく、一人の方があれこれ余計なコトを考えたりサボったりできるのがアイディアを出すには割とよい環境なのだと思っている。

事務所は散らかしっぱなしだった。

すまないなと言うと彼は「構わんよ、逆に見せてほしいぐらい」と言った。僕はいつもながら「僕は社長ではないよ、アイディアを出す為のおもちゃ箱さ」と言うと彼は「いや、それが社長の仕事なんだ」と笑いながら言った。そこから少し彼の作業の話を聞いていた。時間はかかったが一応データは着実に整理できているらしい(そもそも滞っていたコトの方が問題なのだが)。

彼はホワイトボードにセロテープで貼り付けられた模造紙に目をやって「考え方はチームなんだね」と言った。僕も「うん、そうなんだ」と答えた。

製作から魅力へ変わっているのだと思う。

パッと人の目を引く大きなピンク色の施設。大きな看板と今までに無かった外観で、地元の風景から浮き上がらない程度に少しだけオシャレに作った会社。僕は、そこからいくつかのブランドを発信してきた。リエゾン長崎、くぬぎ、クローバー。遊び場カフェ、STUDIO CLOVER。そして今、iTherapy。20年、製作に命を削った20年だった。

税理士の彼に話す。「その20年のおかげで体は壊すは、人から嫌われるは、周囲からは自分で見聞きしたコトしか信じない理解不能な奴だ思われているらしいよ」と。そしたら彼は笑いながら「先に進むというコトはそういうコトじゃないか」と言った。「誰も見たコトの無い世界を創ろうとしてきたのだからそんなの当たり前で、みんなが納得する様な製作の仕方で作った中身に一番満足しないのは、KC君自身だろうに」ともう一度笑って言った。

確かに、機能性で評価されそれで売れていた時代があった。しかし今、その機能性を超える魅力を求められる時代になった。改善しない製品に人々は魅力を感じない。デジタル家電など見れば明らかで、革新的な機能など一瞬にして過去の物になってしまう。確かに、同じ人、同じ味、同じ作業に安定や安心はあるだろう。しかし一方で、作業の慣れや標準化によって必死にやっていた事は、同じ事を繰り返す事へと変化して魅力を失い「飽き」になる。施設や会社としては危機的な要素だ。


では、機能やスペックを超えた次のステージへその魅力を転換するにはどうすればいいのか?それは、改善しかない。もう一度、全ての製品を見直し、より魅力を高めるにはどうすればよいかを考えられる様に生産の環境の時間を巻き戻すしかない。それはなぜか?


魅力づくりをやろうとしている雰囲気に人は魅力を感じるからだ。


僕が今一番やらなくてはならないのは魅力を創るコトだ。


製作の過程を経てブランドが創れた今、スペックや機能を超えた魅力づくりをやらなくてはならない。その為に、改善という作業に取り組む。「今で問題無いのに、なぜ変えるのか?」その質問に答えるなら「魅力づくりをやろうとしている雰囲気を創る為」だろう。以前一人のお客様から「新しい事に挑戦している雰囲気がよいですな」と言葉をかけてもらったコトがあった。そうなのだ。安心と安定を否定するのではなく、そこを基軸として新しい魅力づくりに取り組もうとしている姿勢を人は評価する。


たまに、僕の話を聞いた時、首を捻って怪訝な顔をする人がいる。さも分かったかの様にいぶかしげに首を捻り眉を潜めて目を伏せる人がいる。つまりは、その怪訝な表情自体に魅力が無いのだ。


そう。
つまりは、それが最も重要な改善点だと思うのだ。


税理士の彼と2時間話をした。
施設と会社の改善の理由を彼に説いた。


彼は「君は変な人だね。高校の時からそうだったっけ?でも、僕も面白くなってきた。2月27日にまた次の打ち合わせをしよう」と言って帰っていった。


表情は和かだった。


とても魅力的な表情をしていた。


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