書いたものを書いてもらう。

だいたい順番があって、最初はホワイトボードに書きなぐる。白い綺麗なキャンバスのボードに、最初に「一言」書く時にちょっと緊張するが、一言書いてしまうと気にならなくなる。付け足しのインクにペンを繰り返し差し込んで、どんどんどんどん書いていく。白いホワイトボードが真っ黒になったら写真を撮る。出来がよければその段階で、すぐにPCで起こしてもらう時もある。ただ往々にして出来はよくない。荒いし固い。なので、一度言葉を付箋に落とす。そして組み立て直す。何度も何度も、あーでもないこーでもないと剥がして貼って剥がして貼ってを繰り返す。言葉の位置が固まったら、その一枚をずーっと眺める。ずーっと、ずーっと。そうしていると、言葉と言葉をつなぐ線の奥から絵が見え始める。海の中の海藻を引き上げる様な感覚で、見え始めた絵の端っこを持ってグイと持ち上げる。ズルズルッとイメージの全体が出てくる。そのイメージを、今度はフリーハンドでスケッチする。その時はサインペンがいい。以前は鉛筆を使っていたけど、最近はサインペンがいい。握った感じと筆圧で微妙に変わる線の太さが心地よい。描く時は裏紙がいい。失敗しても気兼ねなく破けるし、ある日、消しゴムを使うよりも楽だと気付いてからずっと裏紙を使っている。一枚書き上げるのに相当な裏紙を使ってしまう。破く時の音で少々周囲に気をつかう。でも、勢い良く破らないとイメージが留まってくれない気がするので、周囲にちょっと申し訳ないと思いつつ勢いよく破く様にしている。でも、イメージはそうやって出来上がる。イメージが出来たら、その一つ一つを言葉に置き換えてく。丸も四角も線も、書いたすべての絵のパーツは言葉にできる。自分で書いた絵なので、書いている時に実はもう言葉も選びながら書いていたりする。なので、絵を見ながら言葉に置き換えていく作業は、英語を日本語に翻訳する様な感じに似ているかもしれない。とりあえず意味が伝わる様に翻訳した言葉を綴る。そして、さらに綺麗に仕上げてもらう。その時から、自分以外の誰かに頼む。写真のパスタの様に、美味しさに手間がかかるとの同じ様なものだと思う。仕事先の楽園の様なcaféのパスタ。オススメ。

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