僕はここで、点火するために20年待ったんだ。

材料は揃ってきている。コミュニケーションを取るべき人とのコミュニケーションは確実に増えた。手順は明確になり、役割も分業も進み、結果は数になって現れている。暇で暇を課題とした時期は過ぎ、今は忙しさの解決が課題となる部分が増えた。もともとあった場所はどんどん良くなっている。節目は、すべてを新しくする目標になって動き出した。風通しもよくなった。違う世界との関わりが増え、価値観や方法が広がり、機会や縁を作るコトもまた仕事となった。ベクトルの向きを合わせるというコトの意味も浸透しつつある。コントラストがつき始めた。時間を潰している仕事を仕方をする輩と、時間を生み出す仕事の仕方ができる者との違いもハッキリし、整理整頓の準備は終わった。計画は戦略的に動かすコトを感覚的に身につけられたし、今何を確実に進めるべきかという視点も二つに煮詰めるコトが出来た。caféであり、iTherapyであり、それがどうつながっているのか?という最も難しい説明にもストーリがつけられた。一方で、確かにまだ不十分な点も多々ある。組織の規模はまだ小さく、組織のヒエラルキーの中にある底辺と頂点の温度差は未だ甚だしい。指一本動かすレベルでの差異もある。弱さは強さを避け、古さは新しい物を古さ以前の物差しで理解し、普遍的な繰り返しと事なかれが良しとする風潮も少なからず残る。しかし、不十分と認識する部分を浮き彫りにする環境と、その改革のための「力」は蓄えられたと思っている。そう、つまりはあとは爆発させるだけなのだ。20年、そして7年、培ってきたエネルギーは気化しシリンダーの中を埋め尽くした。後は点火させるだけ。点火の瞬間が来れば、すべては一気に加速して未来に進んでいける。人、モノ、カネ、そして情報が整った結果、今、組織の動力のバランスは保たれ、今なら、僕が走らせようと思い続けた船が動かせると思える。

スイッチを入れる。あちらこちらでた一斉にライトが点き、真っ暗だった船内に灯りが点く。船のベクトルを100%理解したクルーが足早に配置に着く。士気は高い。戦う為に船に乗り込む。敵は誰か?命懸けて車輪を回す者を外側から見てニヤニヤ笑う「敵」が誰かというコトは明確になった。だから今なら戦える。船のエンジンルームから、動力の音がする。ずっと動かなかった船はようやく動く。そう、船が動けば僕は戦える。それはおそらく人生で最後の戦い。だから勝ちたい。世界を良くする為に全てを投げ打って戦ってきたから、やっぱ最後に勝ちたい。

船を動かさなきゃいけない。

点火させてくれ、そしたら船は動く。

あとはそれだけなのだ。

それを、僕はここで20年待ったんだ。


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