ゲーム経営。

会社を成長させたいという要求と、個人のレベルで豊かさを纏う要求は原則一致しない。起業を悲観的には思わないが、経営やるなら矛盾する要求と向き合う事は宿命であり、会社と個人のそれは経営を終えるまでずっと続く。


ただ、だからといって昭和歌謡よろしく「サラリーマンは気楽な稼業」とも思わない。人事と統制で、やんわりと自己表現を制限されながら30数年過ごし(30数年続けられりゃいい方)、ある日突然「はい終わり」と幕が引かれる生き方は安定性が導く最終的な無常とも思う。


だからか、無常を嫌い「キャリア」という質感の無い言葉を担ぎ転職を重ねる輩を多く見る。出会う輩にキャリアを活かして差し上げたいと思う場面も多々あったが上手く活かすは本当に難しい。新たな下積みを忌み嫌うと点で、キャリアは時々邪魔になるからだ。


経営はゲームだ。会社は矛盾する要求の応酬の落とし所を探し、安定と無常の層に目標と達成感を与え、楽にチャンスを追いたがるそのキャリアにはそれが幻想であり本当のキャリアたるや礼儀である事の理解を促す。


ゲームであって経営は遊びの要素を含む。勝つ事を前提に自分の持てる力を最大限発揮する。もちろん危険行為をしないというルールを守りつつ。その上で、人、事、物を生産的に活用し内に外に潜む「敵」に勝つ事が経営だと理解している。


そして大事なのは「勝ち方」なんだろう。「儲けたぜ!」は結果だ、これは否定しない。ただ僕は儲ける為の「勝ち方」に「品」があって生まれた儲けが最も活きると考えている。


矛盾でも無常でも、それを忌み嫌おうが、総して敵とするならば、ではこちらが礼儀において敵に立ち勝り、原則的には敵を信頼しながら、敵意無しに敵と闘うコト、それが品。


要するに、勝つためには何をしてもよいという訳ではないのだ。


経営者とステークホルダーとの関係の調和というマネジメント実践において、勝ち方に品を備えて利益を生む会社をやりたいと考えると、結局イチから経営を勉強するしか方法が無い。


そう、つまり僕は今、経営の勉強が好きなのだ。

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