都会の夜景で光の線がいっぱい映る写真がある。休日の朝、一人会社で文章を残してる時は、ここで過ぎた10年がそんな感じで頭の中で見えている。時が立つのはホントに早い。
経営者の自覚が芽生えた最近は、改めて光の線の途中途中に居た自分が幼かったと感じるし、自覚もないままよくもまぁ、社長としてやってこれたもんだとその強運に感嘆。
賃貸物件なのに休みを独り占めして手前の備忘録の為だけに事務所を使うなんて贅沢過ぎるから、ぼつぼつそんなルールも変えていくかと考えてる。経営者だからでございます。
会社を興してから朝の目覚めが嫌だったというコトは無かった。責任感といえばそうだけど、とにかく会社に行くのが嫌だったというコトは無かった。辛いコトは多かったけど。
起業で一番悩ましいのは人。雇う人と勤める人の価値観で、1から10まで同じ感覚の人と出会うコトが殆ど無いってのが世間的に正しい常識だった。そこでまた経営者になれた。
でも、そうじゃない人らとも出会った。その常識を覆す、常識の反対側にいる変態らと出会えたコトが自分の人生で一番の財産だと自信を持って言える。彼らは最高だ。
もし今、僕に少し経営者としての安定感があるのなら、写真立ての中のおじさんに心から感謝を言いたい。何も教えて貰えなかったから、とてもたくさんのコトを教えて貰えた。
何も教えてくれずにこの世を去ったおじさんは、何も教えないって方法で、10年もかけて僕を経営者に育ててくれた感じがする。おじさんは写真だから何も教えてくれないけど。
でも、おじさんが何も教えずに僕を育ててくれたから、僕を支えてくれる周囲も一緒に少し背が伸びた。違う街との距離が縮んだと感じてくれてるなら、それがそうだよ。
僕は休日の朝にここで文章を残す。実は一人で書いてる感じでなくて、誰かと一緒に書いてる気がしてる。都会の夜景の写真の中に居る様に、僕を囲む光の線の中で書いてる。
光の線を辿り、思いを巡らし文章を綴るって方法ででいいんですよね、って教えてほしいけど、聞いてもこの人は何も返事をしてくれない。向こうで呑気に過ごしてるんだろう。
何も教えてもらえない、という教わり方だなと思うのだ。
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